国境なき子どもたち(KnK)は開発途上国のストリートチルドレンなど恵まれない青少年を支援するNGOです。東日本大震災発生以降は、岩手県における教育支援を開始しました。
国境なき子どもたち 岩手
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僕の両親の住む町、陸前高田

2011/03/27
報告:スタディオアフタモード ジャーナリスト/フィールドエディター 佐藤 慧

未曾有の大災害が日本を襲いました。東日本を襲った大地震と津波。原子力発電所の危機。
あまりの出来事に日本中が震えました。
その時、3月11日、僕はアフリカのザンビアにいました。コンゴ民主共和国に取材に出ていた僕は、隣国のザンビアで次の取材に向けた準備をしていました。日本との時差は7時間。朝の7時頃に知らされた東北の地震。岩手生まれの僕は、すぐにネットに接続しニュースを探しました。もともと東北沖は地震の頻発する地域です。今回も、いつものような地震が発生したのだろうと思っていた僕は、町が津波に押し流される映像を見て背筋が凍りました。
これは大変なことが起こっている。僕の両親の住む町、陸前高田はどうなってしまったのだろう。確実に被災しているはずなのに情報が出てこない、これは被害が甚大すぎて誰も報告出来ていないのではないか。数時間後に陸前高田の情報が出てきた時、その名前の横には「壊滅」の文字が添えられていました。

陸前高田
入江から続く川の上流7、8km地点からすでに
町は相当な被害を被っていた。

すぐに航空券を手配、23時間かけて成田空港に降り立ちました。
同時に、日本では信頼できる仲間たちが既に行動を起こしていました。
未曽有の大災害を被った地域の復興にむけて、継続的な支援をしていけるような団体を設立しよう。
数日後には任意NPO「みんつな」が設立されました。皆(みん)なが繋(つな)がって津波(つな・み)をひっくり返そう、そういう想いから名付けられました。

僕は先遣隊として、先に陸前高田に調査に入ることになりました。幸いなことに父親の生存は確認されましたが、母は依然として不明、一刻も早くその安否を確認したい思いで一杯でした。ガソリン不足の中、なんとか陸前高田市にたどり着いた僕の目に飛び込んできたものは想像を絶する光景でした。 町が、消えていたのです。

積み重なる瓦礫は、
人間の営みの脆さを物語っていた。


鉄筋コンクリートの2階にあった家の風呂場。
全てが津波によりかき回された。

陸前高田の町があった場所には、本当に何も残されていませんでした。原形をとどめない瓦礫の山、冷たい棺桶と化した車、根本からへし折れた電柱。そこには命の営みを感じさせるものが何もありませんでした。
震災後1週間経ち、人々は80以上の避難所にわかれ、ギリギリの生活を強いられていました。自衛隊や消防隊が必死の捜索を行い、数百の遺体が冷たい大地から発見されました。高田市の総人口は23,197人です。現在確認されている死者は約800人、避難所で確認されているのは約1万1500人。1万人以上が未だに発見されず、冷たい泥土や瓦礫の中、海の底に横たわっているのです。
母の消息を追っていた僕は、あまりに想像を超えた暴力に言葉を失いました。大自然の暴力を前に、人間は余りにも小さすぎました。しかし、大切な人をその津波にさらわれた人々は、一生癒えることのない傷を負いながらも、それでも生きていかなければなりません。

陸前高田
現状の把握に務める。陸前高田市内には80以上の避難所がある。

絶望的な津波のひいた後の土地で、人々は前に進み始めました。 復興を目指し、早くも人々は連帯し、前に歩み始めたのです。それはさながらパンドラの箱のようでした。あらゆる災難がもたらされ、家も町も壊されながらも、最後には希望が残されていたのです。人は人を想い、繋がることが出来る。大切な人の笑顔のために、前に進んでいくことが出来る。そんな希望を抱え、NPOみんつなは長いスパンで支援を続けようと考えています。 被災地を支援したいという想いから、各地で人々が繋がり始めました。
NPO法人「国境なき子どもたち」もまた、僕たちのNPOと想いをひとつにする仲間です。長期的な視野で、地元の人たちを主役にその復興を考える。緊急支援の終わった後に訪れる、本当の復興期にこそ、心と心の交流を大切にし、そっと寄り添えるような存在でありたい。
みんなで前に、進んでいきます。

スタディオアフタモード ジャーナリスト/フィールドエディター 佐藤 慧


避難所に集まる物資。
仕分け人員はまだ足りていない。

町の中心地。被災前の景色を思うと、
ただ、息を呑む。

地盤が沈下し、海が1km近くも内陸に侵食してきた。


県立高田病院の入り口から。
人の往来はもう無い。


夜の帳が降りても、そこに人々の生活は
灯らない。

静寂に包まれた朝がきた。

津波の力は強固な鉄も大きく捻曲げた。

空爆を受けたかのような光景。命は欠片も見当たらない。

晴天のもと、町は色彩を失っていた。

町は孤独に満ちていた。

波に押し流され、潰れた車は、
重く冷たい棺桶と化した。

そこに人の営みを見出すことは出来なかった。

想像を絶する光景を目の前に、心が麻痺していく。

瓦礫となった町にも陽はまた昇る。

大切な人の乗っていた車が、
駐車場から500mの距離で見つかった。

原型を止めない車を前に、ただ呆然と立ち尽くす。

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KnKはこうした若者たちと手を携えて、被災地の子どもたちへのサポートを行っていきます。
皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

 

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