国境なき子どもたち(KnK)は開発途上国のストリートチルドレンなど恵まれない青少年を支援するNGOです。東日本大震災発生以降は、岩手県における教育支援を開始しました。
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小さな虎たちの「大きな一歩」

 

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2013/10/23
報告:KnK岩手スタッフ  東 洋平

10月5日(土)に岩手県釜石市立釜石小学校で、周辺の学校との合併10周年を記念した式典が開催されました。そこで、全校生徒たちによる「虎舞(とらまい)」という郷土芸能が披露されましたので、その様子についてお伝えいたします。

釜石小学校は釜石市の中心部にあり、津波による被害が大きかった地域にあります。学校自体は高台にあり津波による被害はなかったものの、地震により校舎が被害を受け、つい先日まで補強や耐震工事が行われていました。また、釜石小学校付近の商店街などは被災し仮設商店街が立ち並ぶなど、未だ復興への道のりは遠い様子です。

また、震災により住み慣れた土地を離れ内陸部へ移る家庭、別の地域にある仮設住宅への引越しを余儀なくされる家庭など、その地域にもともと存在したコミュニティが分断されつつあります。そういった状況の中で釜石小学校では古くから伝わる郷土芸能「虎舞」を通して、地域のつながりを取り戻す取り組みを企画し、国境なき子どもたち(KnK)はその支援を決定しました。

釜石小学校では、虎舞という郷土芸能を小学生のうちから教育の一環として学ばせることで、子どもが一時的に釜石を離れたとしても釜石のことを忘れないように、また子どもの行事となればその保護者も関わることとなり、結果として虎舞を通してコミュニティ再生に繋がると考えています。また、虎舞を覚えるには教科書などは存在せず、子どもたちは普段では話すことのない地域の上の世代から、踊り方や囃子の方法を学ぶ必要があります。核家族化がすすみ世代間の交流が希薄になっている中で、虎舞の練習を通し、多世代のコミュニケーションが生まれることを期待しています。釜石市でのお祭りや地域の行事でも虎舞は踊られており、多くの子どもたちが参加することでの地域の活性化が図られることも期待しています。KnKも地域のコミュニティの再生に力を入れており、今回の支援の意義は大きいと考えました

     
      練習では、地元で有名な虎舞の先生から直接教わったり(右)、虎舞の歴史や釜石の伝統を学びました(左)。

虎舞は岩手県沿岸部に古くから伝わる、虎に扮した踊り手が舞う勇壮な踊りです。ここ岩手県沿岸部では昔から漁業が盛んで、多くの家庭が漁業を営んできております。しかし、「板子一枚、下は地獄」(船の上げ底一枚の下は海で、落ちれば死につながりかねないということ。船乗りの仕事はとても危険だというたとえ)と言い伝えられているように、海での仕事は危険なものであり、「千里行って、千里帰る」と伝えられる虎にあやかって、船乗りの無事の帰還を願って踊られたと言われています。

当日は教育委員会の方々や元教員の方々、保護者の方々、地域の方々などが集まり、盛大な式典となりました。 子どもたちは、それほど緊張している様子でもなく、小さな虎たちが全身を使ってダイナミックな動きを見せました。

   保護者の方々、地域の方々があたたかく見守る中で迎えた本番。全力で舞う小さなトラたちから目が離せません!

虎舞は下記3つの構成で、最後には6年生だけでの演目も披露されました。
@「遊び虎」(矢車) :春の日差しを浴び、虎たちが無心に遊び戯れる様子を表す。
A「跳ね虎」 :目的の場所に追い込まれた虎が、傷ついて荒れ狂い、誰も手のつけられない状態を表す。
B「笹喰み(ささばみ)」:繁殖期にある虎は、盛んに獲物を求め焦燥し、笹にかみついて歯を磨くなど気性が荒くなる。


1年生の虎は仔虎のように愛らしくかわいらしく、6年生の虎は獰猛な猛獣をよく表していました。 また、囃子の子どもたちも笛や太鼓を演奏したり、大きな声で掛け声をかけたりと、虎舞に勢いをつけていました。

     
            舞も、太鼓も、笛も、囃子も・・・釜石小学校の子どもたち全員で虎舞を盛り上げました!

舞は10分以上続いたと思いますが、小学生が虎の頭をかついで中腰で動き続けるのは本当に体力、精神力共に必要とされるにもかかわらず、本物の虎のように見せる素晴らしい舞でした。 釜石市内7つの虎舞組合の連合会会長である岩間久一(いわまきいち)さんという地元の有名な方がご指導されたかいもあり、小学生とは思えない舞を、私自身非常に楽しませていただきました。

古くから受け継がれてきた伝統芸能が、さらに子どもたちに受け継がれ、地域の方々にとっても子どもたちの成長を見られたことは大きな喜びとなったことと思います。この子どもたちが今日の虎舞のように雄々しく育ち、またその子どもたちに受け継いでいく、こうしてこの虎舞と共にこの地域が育まれ、発展していくのだろうと、歴史と未来を感じた素敵なひとときでした。

  <フィデリティ投信株式会社、国境なき合唱団、そしてみなさまからのご寄付により実現いたしました>


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