国境なき子どもたち(KnK)は開発途上国のストリートチルドレンなど恵まれない青少年を支援するNGOです。東日本大震災発生以降は、岩手県における教育支援を開始しました。
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2013年も、子どもたちと共に走り続けました  

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2013/12/24
報告:「走る!KnK子どもセンター」スタッフ
    畠山理恵、菅野洋子、及川千鶴子
  ジャパン・プラットフォーム 助成事業
      

岩手県陸前高田市の移動型子どもセンターにおいて、子どもたちの学習や遊びの時間に見守りに従事している畠山理恵さん、菅野洋子さん、及川千鶴子さんの3名から伺った「走る!KnK子どもセンター」の様子をご紹介します。

   

「走る!KnK子どもセンター」とは?
震災後の子どもの居場所づくり支援活動のひとつとして、中型バス2台を改造し、机やいす、本棚を設置した移動型子どもセンター「走る!KnK子どもセンター」を2011年12月から岩手県陸前高田市で運行しています。2013年11月末までに延べ8,918名の小中学生に放課後の居場所を提供しています。


 Q1. なぜKnKの活動に参加しようと思ったのですか?


理恵さん】震災前の職場が流されてしまい、新しい仕事を探していたときに被災地の支援がたくさんあることを知り、携わりたいと思いました。その中でも、国境なき子どもたち(KnK)の子どもの支援があり、子どもに関わる仕事が良いと思い、参加しました。
洋子さん】震災直後に仕事を探していました。友人からKnKの求人情報を紹介され、「ぜひ!」と参加しました。
千鶴子さん】自営業をしていましたが、震災によって職場も住居もなくなってしまい、社会福祉協議会で仮設住宅の支援をしていました。しかし、弱っている父がいるため、フルタイムで働くことはむずかしいと思っていました。そんな時、地方新聞に載っていたKnKの活動を見つけ、どうせなら昔携わった小さい子どもたちの仕事を再開しようと考え、参加しました。


Q2.日常業務を教えてください。


理恵さん洋子さん】まず、バスを停めさせてもらっている運輸会社さんに行きます。そこを事務所代わりにし、パソコン作業や、バスの中の掃除をします。15時半〜16時くらいには子どもたちが学校から帰ってくるので、それに合わせて16時から運行をするべく各地に移動します。他にも買い出しをしたり、2週間に1度バスの運行カレンダーを学校や保護者、自治会長さんに配布しに行ったり、スケジュール調整を行っています。 バスに来る時間は小学生と中学生で分けています。小学生は最長18時半まで。学校の決めた下校時間もだいたい17時〜18時なので、お迎えが必要な子は必ず親御さんにお迎えに来ていただいています。18時半以降は中学生に切り替わります。中学生でも、お迎えが必要な子は必ず親御さんに来ていただいています。基本的にバスは仮設住宅の脇に止めるので、親御さんや仮設住宅の方とお話する機会も日々あります。


Q3.バスがもたらす子どもへの良い影響は何だと思いますか。

千鶴子さん】バスがあることによって、子どもたちに居場所を提供できているように思います。私のいる大船渡には比較的空き地があります。しかし、陸前高田のほうでは、残念ながら低地は流されてなくなってしまいました。「子どもたちが遊べる場所はないか」と考えたときに、KnKのバスはうってつけです。中身が改造されており、勉強用の机と椅子が設置されているため「おもしろい!」というのが私自身、最初の印象でした。子どもも同じではないでしょうか、興味が湧くといいますか。こんなことを言うのはおかしいかもしれないですが、被災したからこそ子どもたちはバスに乗ることができます。もちろん、子どもは子どもなりのいろいろな問題を抱えています。それでもバス自体は彼らにとって楽しい場所なんだなぁと、見ていて思います。

     
       「走る!KnK子どもセンター」は見た目はバスだけど・・・中身は机といすがあって小さなお部屋みたい!
           (左)集中して勉強中。分からない問題はお友達やスタッフのみんなに教えてもらいます。
            (右)夏休みや冬休みなど、バスを長く利用できるときはゲームをすることもあります。


理恵さん】もともと高田地区というか気仙地区に住んでいた子どもたちは、広い家に住んでいる子も多くいました。しかし、震災後に狭い仮設に暮らすようになったことで子どもたちはさまざまなストレスを抱えるようになりました。隣の音が聞こえたり、家族のストレスが子どもに伝わったり…。おそらく我慢するところは我慢する、というのはあったと思います。でも、学校でもなく家でもない場所、大人がいて安心できる場所をバスという形で提供することで、彼らが子どもらしくいられるようになってきているように感じます。私が参加し始めた頃、おとなしかったり聞き分けが良かったりする子どもたちを見て、私は「あれ、子どもってこんな感じかな?」と思いました。それが、半年経った頃には、何を言っても怒ったり反論してきたりと子どもたちに変化がありました。徐々に私たちスタッフとの関係性を築き、バスでの過ごし方も築き、今はすごく子どもたちらしい部分が見えて、バスにいるときは伸び伸びできているように感じます。


Q4.親御さんや地域の方のバスに対する反応はどんな感じですか?

理恵さん】今バスを走らせている場所では「すごく助かっている」という声をよく聞きます。「夕方忙しい時間帯に1時間や2時間でも子どもたちを見てもらえると負担も軽くなる」「安心できる」と言われます。また、あるご家庭の話なのですが、「子どもがまだ小さいにも関わらず相手をすることができず、申し訳なく思っていたけど、バスでスタッフお話してくれることで子どもたちも楽しそうに帰ってくるし、すごく助かっています」と親御さんから言われました。とても嬉しかったです。
洋子さん】先日、バス運行スケジュールを親御さんたちにメールしたとき、お返事の中に「毎回毎回とっても楽しみにしています」というメールがあり、嬉しかったです。
千鶴子さん】バスに携わることで子どもたちだけじゃなく、仮設住宅の方ともコミュニケーションがとれます。「今日寒いねー」とか、仮設住宅で行っている土づくりについて「ここの土はどうするんですか?」「ここはこうするんだよ」とか。そうやって、地域の方とお話ができる点も私は好きです。


Q5. 印象に残っているエピソードを教えてください。

千鶴子さん】おやつの時間に子どもたちにあげた飴を見て、ある子が「この飴、畑仕事のお手伝いをしたときにじいちゃんからよくもらったんだ」と話してくれました。以前はこのように震災前の話を聞くことも少なかったのですが、子どもたちは震災前のことも懐かしめるようになったのかもしれない、と思いました。飴にまつわる話を共有してくれことが嬉しく、印象に残っています。

   
                 バスを利用している子どもたち一人一人に、印象的なエピソードがあります。
    共に遊び、話し、喜び、叱り・・・同じ時間を共有する中で、たくさんの表情や感情をみせてくれるようになりました!

洋子さん】絵を描くのが好きな子がたくさんいるのですが、その中の1人の小学生が物語風に絵を描いていました。「すごいねー」と言いながら見ていたら、「将来漫画家になりたい。漫画を出したい」という話をしてくれました。「どうやったら出せるかなぁ」とか「自費出版かなーどうしたら良いかな」という相談までされました。中学生くらいになれば、現実的に「どこの高校行こう」「将来こういう道に進みたい」といった話を子どもたちはよくしますが、小学生がこうやって夢を語ってくれたことが印象に残っています。
理恵さん】今は中学生ですが、以前、低学年の子たちの面倒をよくみてくれる6年生がいました。その子が注意すればみんなちゃんと聞くし、でも注意するだけじゃなく、困っていることがあったら助ける、というような子でした。その子はバスが来ることもすごく楽しみにしてくれていて、スタッフにもいろいろ話はしてくれていたのですが、小学校を卒業したときに「私の夢、見て!」と言って、卒業文集を見せてくれました。その子の夢は「先生になりたい」。これは、自分が被災したことや、被災後に支援に来てくれているKnKのバスがあったということを、自分が先生になって伝えていきたいからだと教えてくれました。中学生になってからは忙しくなり、毎回は来られないのですが、来ると「中学校ではこういうことがあって」と学校の話だったり恋の話だったりをスタッフにしてくれます。文集を見せてくれたときは、とても感動しました。


Q6. 支援から撤退する団体もある中、今後KnKに期待することがあれば教えてください。

洋子さん】バスは限られたスペースです。特に小学生は「遊び場がない」とずっと言われていますが、地域の方が集まって何か作ること、また、行政がそれを実施するのは難しい現実があります。
千鶴子さん】子どもたちはやっぱり動くことが好きです。校庭がない分、走り回りたい!というエネルギーを発散できる場所があれば良いのですが。
理恵さん】子どもたちのためにボールはあるのですが、使える場所がないので…。仮設住宅のそばに、校庭あるいは広場のようなスペースをつくれたら、と思っています。今は子どもたちの人数も減ってきてはいるのですが、減ってきているといっても、1〜6年生までいるとバス1台分のスペースでは足りないと感じます。1年生なんかは学校から帰ってくる時点で宿題は終わっていて、バスに来ると遊びます。そこで宿題をしに来ている高学年の子どもたちを気遣って「静かにしてね」と言うのも、長時間は難しいことです。理想は、高学年と低学年を分けたバスがあることかなと思います。…ただ、そうするとスタッフが足りなくなってきます。KnKの「走る!KnK子どもセンター」がもう少し広く知れ渡れば、この活動に参加したいと思う人も増えるかもしれません。「KnKのために」ではなく「子どもたちのために」、今後は運動スペースの確保や広く知れ渡ることを目指していきたいです。
   
            子どもたちの「居場所」を目指し、今後も「走る!KnK子どもセンター」は走り続けます!!

      <この事業は、 支援者の皆さまからのご寄付と認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム
                        の助成により実施しています>



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